見た目では分からないことを、書類で確認する
エントランスやキッチンは見学で比較しやすい一方、構造や断熱などは見た目だけでは判断できません。住宅性能評価書は、建物の性能を資料で確認するときの手掛かりになります。国土交通省の住宅品質確保法の案内では、登録住宅性能評価機関が評価を行い、評価書を交付する制度が示されています。制度と関係資料:国土交通省
購入者として大切なのは、「評価を取得」という短い表示で判断を終えず、どの住戸について、どの項目が、いつ評価されたかを確かめることです。以下は、そのために当研究所が整理した資料確認の手順です。
まず、書類の名前と対象を確認する
設計住宅性能評価書と建設住宅性能評価書は名称を区別して受け取ります。広告で取得予定とされている場合は、現時点で取得済みの書類と、今後交付される予定の書類を分けて説明してもらいましょう。
確認欄には、書類名、発行した機関、交付日、物件名、棟、階・号室を記録します。建物全体の説明なのか、対象住戸の評価なのかが分からなければ、その場で質問します。別のタイプの評価書を参考として見せてもらう場合も、自分の住戸と同じ内容だと推測しないことが大切です。
数字を写す前に、評価項目の意味を聞く
書類に記載された等級や数値を、違う項目同士で比べても意味はありません。同じ名称の項目を並べ、どの基準や前提で評価されているかを確認します。基準が改定されることもあるため、発行時期が離れた書類を比較するときは説明を求めましょう。
| 気になること | 聞く内容 | 別に確認すること |
|---|---|---|
| 地震への備え | 構造についてどの評価項目・結果があるか | 家具固定、共用設備、停電時の運用 |
| 暑さ・寒さ | 温熱・省エネに関する評価と対象範囲 | 方角、窓、日射、空調の使い方 |
| 音 | 音に関して評価を受けた項目があるか | 設備音、周辺道路、隣接空間の使われ方 |
| 将来の維持管理 | 維持管理に関する評価内容と説明資料 | 長期修繕計画、点検方法、費用負担 |
この表は確認するテーマの例です。すべての項目が評価書に掲載されている、または取得済みであるという意味ではありません。空欄や記載のない項目は、未確認のまま比較表に残します。
建物性能と、自分の住み心地を一緒に考える
書類上の評価と、暮らしの好みは別に記録すると比較しやすくなります。評価が確認できたことと、机を置けること、窓の前が開けていること、帰宅時間に静かなことは、それぞれ異なる判断材料です。
たとえば在宅勤務をするなら、性能資料に加えて部屋の位置、共用廊下やエレベーターとの距離、窓を開けたときの周囲の音も質問に入れます。「高い等級なら生活音が一切聞こえない」といった読み替えはせず、評価の対象と限界を確認してください。
購入候補ごとに残す1枚のメモ
- 手元にある評価書の名称と交付日を書く。
- 対象の棟・住戸と、取得済み/取得予定を分ける。
- 自分が重視する項目と、その結果・説明箇所を記録する。
- 書類だけでは分からない住み心地を質問欄へ移す。
- 回答待ちの項目は空欄にし、推測で点数を付けない。
評価書の内容に疑問があれば、販売担当者に評価機関と確認先を尋ねましょう。住まいに関する困りごとは、国土交通大臣指定の相談窓口である住まいるダイヤルにも相談できます。利用できる相談サービスは公式案内で確認してください。
制度の確認先は2026年9月10日に参照。資料比較の手順と質問例は当研究所の編集内容です。